六十六日目



あのとき、私は環境の移行を手っ取り早く行うため、

ノートPCSSDを取り外し、新しいデスクトップに指して起動した。

ファンが軽快に回りだし、接続したモニタに映像が映し出される。



「モニタが接続されていません」


 馬鹿野郎が。

モニタに接続されているから見れるんだぞこのメッセージは。

誰に読ませるつもりでこんな表示をしていやがる。

数回電源をつけたり消したりするが状況は好転しない。

これはチンパンジーの知能計測か何かだろうか?

モニタに接続されているのに、モニタに接続されていないと表示される。

これは哲学的な問いを投げかけられているのか、

私の日本語読解力に問題があるのかのどちらかなのは明らかである。



とりあえず環境をそのまま移行するのは諦め、

PCに組み込んであったSSDに戻して起動することにした。

何も問題なくWindowsのセットアップ画面が立ち上がり、設定を行えた。

多少手間だが、この際だから不要ソフトを切り捨てられる良い機会だと考え、

必要なソフトから都度導入していくことにしよう。

Unityやブラウザ、その他よく使うソフトからインストールを始めることにした。

SSDを元に戻すことでとりあえず問題は解決したが、

PCを自作で組んだ場合は完全にこのステップで身動きが取れなくなっていたはずなので、

設定や機器の相性といった部分のリスクを回避するためにBTO品を購入した選択が功を奏した形だ。



ちなみにこの後はネットの無線接続ができなくて、

またチンパンジーの知能計測をする羽目になった。

そもそもネットの無線接続機能が組み込まれていなかったことに気づくのは、

ずいぶん経ってからだった。



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