七十九日目



2017426日をもって、

DMM.comPS4向け動画配信サービスにおいて、

PlaystationVRへ対応したと発表した。

これがどういうことか、察しの良い方であればもうお分かりであろう。

そう、PSVRVRエロ動画が見られるのである!

先日DMM.comが行ったキャンペーンで、

VR動画が10円で販売されていたのを覚えているだろうか。

ホラー動画である老婆の休日を始め、

VRではない普通のHD動画とともにワンコインでまとめて購入したアレである。

正直、安すぎて逆にありがたみがないから一度も視聴していなかったのだが、

ここにきて私の先見性が光る形となった。

存在を忘れていたわけではない。



PS4を起動してDMMアプリをインストールする。

購入済み動画が登録されているはずだから、

ログインすれば例のアダルト動画が視聴できるわけだ。

さて、待ち時間にしなければいけないことがある。

それは身の安全の確保である。

なにも犯罪組織や警察に追われているわけではない。

だが、ある意味でそれらよりもっと恐ろしいものに襲われる可能性があるのだ。

それは家族である。

世界的に有名な、あるオナニストはこう言った。

アダルトコンテンツを楽しむためにはね、

誰にも邪魔されず、
自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ。

ひとりで静かで豊かで……。



というわけで、これから行うことは誰にも知られてはいけない。

知られちゃいけないデビルマン。

ましてPSVRは視界も失い、

聴覚もヘッドホンもしくはイヤホンを装着するため、

背後に忍び寄る気配を察知することが非常に難しくなっているのだ。

いかにデビルイヤーだろうと、

アダルトコンテンツに夢中で周囲の警戒がおろそかになっていては意味がないのである。



部屋に鍵がかかっていることを確認し、

テレビの電源は切ったままでPSVRを起動する。

パーティの始まりだ。



あのとき購入したVR動画は二つ。

・老婆の休日 高齢婦人のハッピーロマンスライフ

・【VR】セクシーハーレム ちょっとHなハプニングVol.2

・【VR】色っぽい美女の淫語手コキが天国レベル 花咲いあん



この二点である。

出来の悪いライトノベルのようなタイトルが気になるが、

サムネイルを見る限りではどう見ても手コキ天国とやらのほうが圧倒的に質が上である。

というわけで先にこちらを視聴することにした。

画面が暗転し、読み込み中のアニメーションが表示される。

やがて視界が明るくなり、自分がどこにいるのか理解する。

美しい女性が目の前に座っている。

見回すと、白い部屋にテーブル、洋服掛けがある。

女物の服がハンガーにかけられていることから、

これが目の前の女性の部屋であるらしいことがわかる。

下を見ると、自分が陰部丸出しで横たわっている。

とはいっても、ピンク色をした、まあまあリアルな陰部の模型がズボンから出ているだけである。

ズボンから見える足は生身らしく見えるが、

予算を抑えることを考えると、マネキンの可能性も否定できない。

とにかく、私は足をコンパスのように三角に開き、

社会の窓からちんこ丸出しのままだということが分かればよろしい。

自分の体より後ろには暗黒が広がっている。

おそらく予算か撮影機材の問題だろう。

エロイことをしてくれる人間は前方におり、

後ろを向く必要はないからこれはさほど気にならない。



目の前の女優がいやらしい手つきで私のちんこの模型をもてあそぶ。

興奮するが、現実世界では彼女の手つきに合わせて

自分でしごかなければいけないところにこの動画の難しさがある。

彼女は模型を触りながら私を見つめる。私は目があう。

これがグッとくる。

普通の動画でカメラを見つめているのとは違った臨場感がある。

彼女は顔をぐっと近づける。思わず少し、のけ反ってしまうほど近くなる。

開いた胸元から、乳房がのぞいている。

触れてしまいそうなほど近くにいる彼女の目から視線を逸らし、

胸を凝視する。怒られることはない。

よいではないか。

胸を見ようが、股間を見つめようが、自分の自由なのはとても良い。

カメラワークによって場面が途切れたりすることがないから、

撮影者や監督にとっては難しい問題なのかもしれないが、

視聴する側にしてみれば非常に快適である。

視点を動かすことが出来ないけれど、

それでも自由に見たいところを見ることが出来るのは新鮮な体験だった。



さて服も脱いで盛り上がってきた、というところで動画は終了

時間にして約10分。

体験版ではないはずだが、異様な短さである。

もう一本に至っては3分である。

3分ってなんだよ。

私はウルトラマンではないので、3分で射精してウルトラの星に帰るのは困難極まる。

PSVRを外してDMMのサイトを眺めていると、

どうやら現時点においてVRアダルト動画は時間が非常に短い様子。

だいたいの動画が30分程度で、

中には15分程のものや、それより短いものがあるようだ。
なんだか粗製乱造の感は否めないが、

今はとにかくコンテンツの弾数を増やすのが先決だということだろう。

もうすこし市場が成塾すれば違ってくるのかもしれない。

VRアダルトコンテンツは体験としては満足だし、非常に興味深いものだったが、

普通のものが大抵120分程の長さだとすれば、

体験の質を取るか量を取るか難しいところである。



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